2014ー15年度クウェート政府奨学金を受け、クウェートにてアラビア語を学んだ記録。アラビア語やクウェート生活について。
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2014年9月20日土曜日

射撃場(الرماية) Sep 19, 2014

先週のことだ。
日本が大好きだというクウェート人の友人に遊びにいかないかと誘われた。
SMSで連絡を取り合いながら「どこへ行くの?」と尋ねたところ、「club of shooting gunsへ行くよ〜」と言われており、それが何なのかあまりイメージができなかったので、のんきにふらふらついていったのだった。

正直なところ、これは「楽しかった」くらいにしか感じていない休日の出来事なのだが、よく考えてみると我々日本人にとっては非常に貴重な経験だった。
忘れないうちに書き残しておこうと思う。

クウェートには電車がないので、私たち留学生の移動手段はバス、タクシー、クウェート人の友達に頼んで車を出してもらうの3つが基本だ。
その日はもちろん、誘ってきた友人に車を出してもらった。

食事とあらかじめ連れて行ってくれと頼んでおいたexchangeを済ませ(そのどちらもなかなかに新鮮な経験ではあったのだが)、いざ射撃場へ。
どうやらそれは郊外にあるらしく、市内中心部からかなりの時間車を走らせることとなった。
クウェートの運転は荒い。タクシーは平気で時速120キロを出す。クラクションは日本では考えられないほど頻繁に鳴らされる。停車時の車間距離は限界ギリギリまでつめる。
友人の運転はタクシー運転手に比べたらまだ優しいものだが、それでもシートベルトをしなければ怖くて乗っていられない。

建物も何もない砂漠(といっても、日本人が思い浮かべるような砂地ではない)のような道をひたすらに走り、射撃場に到着。

入り口の受付で、クウェート在住者は市民IDを、市民IDをまだ取得していない私たちはビザとパスポートを提示しなければ中へ入れない。
クウェートに来てからと言うもの、何度もビザとパスポートを提示しなければならない場面に出くわしてきたが、「本当に大丈夫だろうか」という緊張は未だに拭いきれない。

無事に通過し、中へ。
どうやら日本で言うところのバッティングセンターのような雰囲気だ。
欧米人らしい客の姿が目立った。

地階へ降り、またもう一つのカウンターへ向かう。
使用したい銃と弾丸を選び、お金を払うようだ。
誘ってくれた友人以外は全員初めて来たので、一番小さなものを選んだ。弾数は、15。

理由はよくわからないが、射撃するスペースは撮影禁止だった。
銃を撃つ際の爆音から耳を守るために防音用の耳当てをせねばならない。

そのあたりで早く気づくべきだったが、この射撃場(الرماية)は本物の銃を撃って楽しむスペースだったのだ。
本物の銃でないと、これほどの爆音は出ないだろう。

順番を待ち、射撃スペースに案内される。
こちらもバッティングセンターと同じく、1人ずつが入るように仕切られていた。
それぞれにインストラクターがつき、インストラクターにまず名前を伝える。
案の定、私の名前は日本人以外には難しいようで、Harunaと書いて理解してもらった。
インストラクターの英語はアメリカ風で、アラブなまりがほとんどなかったのが印象的だった。

インストラクターは銃にするすると弾を込め、初めての状況に戸惑う私に銃を手渡した。
「怖くない?」と聞かれたので「もちろん!」ととりあえず答えては見たものの、勝手が分からない。
とりあえず、あの的に向かって5発撃ってみろと言われたので、インストラクターの指示通りに銃を構え、撃つ。

初めて撃った実弾の感触。
銃を構える手にもの凄い衝撃が加わる。
私はその衝撃に吹っ飛ばされそうになりながらも、なんとか立っていた。
弾の殻が四方八方に弾き飛ばされていた。
味わったことのない感覚に圧倒されながらの5発。





この的に向かって銃を撃つ。記念にもらったので、寮の部屋に飾ってみた。

撃ち終わると、次は自分で弾を込めてみろとインストラクターが言うので、自分で弾を持ち、インストラクターの指示通り銃に弾をセットする。
そのやり方が今ひとつ理解できなかったのと、何よりも先程撃った実弾の感触を思い出し、この弾はあの膨大なエネルギーの素なのだとビクビク触っていたので、かなりもたついた。

なんとか5発弾を込め、次の5発。
最初よりは要領がつかめたのか、落ちついて撃つことができた。
また5発補充し、最後の5発はなかなか楽しむことができた。

射撃を終え、すっかりクタクタになってしまった。
同行していた射撃初心者たちも疲れた様子だった。

その時は興奮状態にあったのかよく理解していなかったが、後から振り返ってみると本物の銃や実弾は日本では違法であるはずだ。
だから、日本にこのような射撃場などあるはずがない。
自衛隊に入りでもしない限り、本物の銃を触る経験などできないだろう。それか、狩猟の猟銃を趣味にでもしない限り。
友人はびっくりするほど軽い誘い方をしてきたが、これは日本人にとっては大変なことなのだよと伝えるべきだろうか。
そういう文化の違いも面白い。これはぜひ日本に伝えるべきだと思い、この文章を書いた。

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