クウェートに来て、いろいろな人と出会った。
その中で一番日頃から接する機会の多い人は、何と言ってもクラスメートである。
現在、4クラスが開講されている。
当初は2クラスだったが、学生が増えすぎて中級レベルのクラスを後から2クラス増設することとなった。
私は上から2番目の中級クラスに籍を置いている。
何度か書いた通りだが、このクラスの日本人は私だけだ。アジア人がやや多いが、世界中から学生が集まっているクラスである。
もっとも、常に一段階レベルを下げたいと友達に愚痴っているが、レベルを下げてしまったらもう上のレベルに戻ることはできないだろうととりあえず耐えることにした。
一段階レベルを下げたらそれはそれで、また日本でやったのと同じ文法の勉強をしなければならないので、クラスメートの力を借りながらがんばろうと思っている。
今日はクラスメートの誕生日だった。ケーキを準備してささやかなパーティーを開くことにしていた。
女子寮近くのケーキ屋さんで巨大なチョコレートケーキを準備し、ハッピーバースデーを歌って一緒に食べるという簡素な物だった。
男女がいっしょに席に着ける場所は授業のあるランゲージ・センターか屋外のテラスくらいしかないので、テラスで他の女子たちと待機する。
そして、事前に仕込んでいた通り、図書館で勉強していた誕生日の彼を「そろそろ昼ご飯行こうぜ〜」とテラスまで連れ出してもらう。
どの程度サプライズだったのかわからなかったが、とりあえず喜んでもらえてよかった。
彼の言葉の「ハッピーバースデー」を他の友達に教えてもらい、みんなで歌った。
また別のお話だが、韓国人のクラスメートとケーキを買いに行った後にアイスが食べたくてマクドナルドに寄った。
その友人と前にマクドナルドへ来たとき、40円くらいでソフトクリームが買えたのを覚えていたのだった。
すると、マクドナルドすぐそばのボーリング場にいた韓国人の男性に声をかけられ、なんとアイスをおごってもらったのだ。
彼はビジネスでこちらに来ていて、日本滞在経験もあり日本語がとても上手だった。
また会おうという話をした。
思えば、私はクラスメートに本当に恵まれてきたと思う。
高校まではもちろん「クラス」というものが存在してきたわけだが、大学に入学してからもアラビア語を専攻する学生の数は30人未満なので、それが「クラス」のような位置づけで日本での大学生活を過ごしていた。
クウェートの今のクラスがこれほど仲良くなったのは、担当の先生がとても真面目で厳しくて、毎回多くはないが大変な宿題が出るのに一同辟易しており、「誰か一人を敵にしたら仲良くなる」という現象が起こっているだけのことかもしれない。
そんなことで仲良くなるなんてまるで子どもみたいだが、奨学金をとり本国での学業をいったん休止してこちらに来ている私たちにとって(私も大学を1年休学しての留学だ)、クウェートでの一年はある意味将来のために前に進むこともなくゆっくり出来る時間であって、みんな心に余裕があるのかもしれない。
誕生日ケーキをいっしょに買いに行った友人と、「今のクラスメートはみんなスマートで優しくて素敵な人たちだよね、次のセメスターもみんなと一緒に勉強したいから、このクラスに残れるようがんばろうね」という話をした。
留学って、もっと寒々しいものなのかしらと思っていたので、励まし、助け合い、心から信頼できる仲間に出会えたのが本当に嬉しい。
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